優しくて強い。自分勝手で脆い。そんな僕らに向けて。
どうも。空蛙です。
きれいごと
「きれいごと」という言葉があります。
コトバンクによると、実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄という意味のようです。
実はこの「きれいごと」の「きれい」という字には、二つの漢字があてはまることをご存知でしょうか。
綺麗と奇麗です。
このサイトを参照にさせていただくと、
綺麗というのは、純粋に美しいという意味です。
奇麗というのは、あやしく美しい。
という意味になるそうです。
今日はそんな奇麗事についてのお話し。
最後に奇麗事を言うのは僕の悪い所だね
彼女から別れを切り出された電話。
電話越しで泣いている彼女の申し訳なさそうな声。
彼女の哀しそうな顔が目に浮かぶ。
「俺のことは心配しなくていいよ。何も失ってないからね。前に向かって進んだと思ってるから。大丈夫だよ。」
学校からの帰り道、こんな奇麗事を吐いた。
暗い夜が明けてすべてが変わって いつもと変わらず今日が始まったよ
電話を切ってから、家に帰ろうとした足音はやけに綺麗な響きで。
背負っていた重荷がフッと軽くなったみたいだった。
僕の本当にやりたかったことに向かっていけると思った。
まるでロケットが宇宙の途中で使い切ったエンジンを切り離すように。
夢に向かって前進したと思った。
でも、その日の夜は暗かった。
彼女のいない夜。寂しかった。彼女が傍にいてくれるだけでよかったんだと思った。
いつもより早く眠りについた。
日が変わり、彼女のいない朝。
仕事がある。学校に向かうと生徒はいつも通り。
だがこういう時に限って、「先生、最近彼女と順調ですか?」と聞いてくる。
「いつだって順調だよ。」と僕はいつも通り答える。
全てが変わってしまった僕は、何も変わらない日常に一抹の哀しさと安心を覚える。
きっとこの瞬間がそれに値して たどり着いた答えだから
掴みたい未来がある。
学校の先生の枠に留まらず、不動産を経営し、いろんな社会の人と知り合って、お金を稼いで、仕事もできる人になる。
成功したいと思っている。これは僕の夢だ。
でも僕の両手は夢ではなく彼女を掴んでいた。
やりたい事。できない事。諦めた事。掴みたい未来。
僕の夢は彼女を掴んだままでは掴めない。僕はいつの間にかそっと彼女を掴んでいた手を放していたようだ。
自分の夢を変える事。折り合いをつける事。好きな人の夢をかなえようとすること。その大切さと愚かさを知った恋愛だった。
これからもずっと輝いていてね 素敵な君のままでいてほしいよ
喪失感のつらさには慣れない。
だからこそ、この失恋によって何かを失ったとは思わない。
自分の夢が叶えられなかったときに初めて、今日までの日々を失うんだと思う。
僕は夢を叶える。そして、何も失わない。
その時初めて彼女に出会ったことに本当に感謝できると思う。
これから先、誰かと何度も付き合ったり別れたりを繰り返すと思う。
付き合ったり別れたりよりももっと大切にしたいことがある。
彼女がくれた僕の輝きを失わない事。僕の輝きが彼女と出会った証明だから。
僕が輝いていれば僕は何も失わない。
そしてあなたも輝いていてほしい。
一度好きになったからには幸せになってほしい。素敵なあなたのままでいてほしい。
別れを哀しいもので終わらせないように。先に進むための別れになるように。
輝いていたいね。ずっといたいね。ずっといたいね。
輝いていようね。ずっといようね。ずっといようね。
ー次会う時までの約束だ。ー
[WANNA be BRILLIANT/UVERworld]
おわり。